矯正の「後戻り(あともどり)」とは?
こんにちは
池袋の矯正歯科 銀座青山You矯正歯科 池袋院 院長の岡本です。
「昔矯正やってたんだけど、後戻りしちゃって・・・」と恥ずかしそうにお話される患者さん。
矯正治療経験のある方はみなさまご存知の「後戻り」。
でも、治療をしたことのない方には、全くなじみのない言葉かと思います。
今日は後戻りについて、ご説明いたします。
せっかく長い期間、矯正治療をして整えた歯並び、綺麗なままずっと維持したいですよね。
でも、矯正治療は歯列が整ったら、治療が即終了というわけではないんです。
後戻りとは、矯正をする前の歯並びに戻ってしまうこと
矯正って、実はすごく珍しい医療なんです。
矯正歯科治療はとても特徴のある医療だと思っています。
「歯や骨を、切り取ることなく別の部分に移動させる」医療は、あまりないのではないでしょうか。
怪我や加齢により損傷した部分を、人工の物や機械に置き換えたり、体の他の部分から切り取って張り付けたりする医療はあると思います。
しかし、切り取らず、置き換えもせず、移動させて使うということは、矯正治療独特ではないでしょうか。
そんなちょっと変わった医療ですので、他の医療ではあまりなじみのない現象が起こります。
それが後戻りです。
これはあくまでイメージですが、歯は土に植えられた植物に似ています。
歯には植物同様根っこ(歯根)があります。
大きな根っこと、小さな根っこ。
小さな根っこは、大きな根っこからひげ根のように、細かい繊維として土の中に伸びています。
歯茎の骨(歯槽骨)が、土だと考えてみてください。
矯正治療によって歯を動かそうとすると、歯と、歯の根っこは、少しずつ新しい場所へと動いていきます。
しかしながら、小さなひげ根は、やや遅れて、引っ張られながら移動します。
矯正歯科治療後、矯正装置を外して放っておくと、このひげ根(歯周靭帯)が、歯を元の位置へひっぱり戻そうとします。
これが、後戻りの原因の1つです。
また、他にも加齢変化であったり、さまざまな日常生活の癖が原因で、後戻りを引き起こしてしまうことがあります。
矯正治療はワイヤー矯正やマウスピース矯正など、どんな治療法であっても、個人差はあれども後戻りが生じます。
ですので、矯正装置を外した後は「リテーナー」と呼ばれる保定装置でしっかりと保定し、正しい位置に歯を固定しておく必要があります。
保定期間は3年は最短でもかかります。(個人差があり、もっと長くなる事もあります。)
矯正医が歯の安定状態を定期的に観察しながら、リテーナーを外す時間を徐々増やしていきますので、ご自身の判断で装着時間を短縮してはいけません。
「やっと、矯正装置が外れたのにまた新しい装置を着けなければならないの…」と、なんだかため息がでてしまうかもしれませんが、保定も大切な治療のプロセスです。
親知らずが後戻りの原因になることも
親知らずが原因で後戻りする場合もあります。
親知らずが真っ直ぐ生えている場合は問題ありませんが、生えてくる向きによっては後戻りの原因になります。
横向きに生えると、前へ前へと押す力がかかり、歯が前方に押されて、その結果、前歯がガタガタになってしまうこともあります。
長い年月をかけてキレイに整えた歯並び、「後戻り」というリスクを知って、矯正治療が終わった後も、これから先ずっと維持していきましょう。
後戻りしてしまったらどうする?
万が一、後戻りしてしまった場合は、これ以上悪くならないように、今から保定装置をつけて後戻りを食い止めるか、再び矯正治療するしかありません。
保定装置はご自身の歯に合わせてオーダーメイドで作製するため、再治療となれば新たな費用が発生してしまいます。
まとめ
せっかくキレイに整った歯並び、後戻りしてしまったら悲しいですよね。
矯正装置が外れた後の1年程度は、歯茎の骨が固まっておらずやわらかい状態であるため「もっとも歯が動きやすい状態にある」ことを忘れずに、リテーナーをしっかりとつけ、綺麗な歯並びを維持しましょう。
豊島区池袋のインビザラインを使用したマウスピース矯正・部分矯正歯科治療